STYLE_104 ONE-TONE S…

STYLE103 FILIPPO DE LAURENTIIS(フィリッポデローレンティス)ニットジャケット、CIRCOLO1901(チルコロ1901)のTシャツ、BRIGLIA1949(ブリリア1949)のショートパンツで仕上げたタイリング

STYLE103 FILIPPO DE LAURENTIIS(フィリッポデローレンティス)ニットジャケット、CIRCOLO1901(チルコロ1901)のTシャツ、BRIGLIA1949(ブリリア1949)のショートパンツで仕上げたタイリング

2020/6/29

STYLE-103

ショーツスタイルを上品に見せる大人のワントーンテク

 

楽ちんで快適なショーツの季節が到来。ただし休日の夏の装いは、意識しないとすぐに子供染みてしまう。高温多湿にして、今や亜熱帯ともいえるほどの気候に見舞われている日本なので、致し方ない部分ではあるのだが。それでも、大人らしく、品良く仕上げる方法はある。
まずは、ワントーンコーディネイトでまとめること。ショーツスタイルに、色や柄が多数入りこむと、その子供っぽい雰囲気に拍車がかかってしまう。ここに注意。では、何色のワントーンを選ぶか。ここに推奨したいのが、サンドベージュである。夏の日差しが生み出す光と影のコントラストのなかで、その柔和な表情に品を宿した色。いわゆるトラッドスタイルにおいては、コロニアルカラーとして夏服で支持されるカラーパレットでもある。
では、カラートーンを揃えたら終了かといえば、さにあらず。ひと手間かけてブラッシュアップを図りたい。というのも、ワントーンコーデは、ともすると単調・平板に見えがち。そこで、素材感を変えたり、柄を取り入れたりなどの細やかな変化で、着こなしに奥行きを与えるのだ。
というわけで、今回のコーディネイトを見てみたい。BRIGLIA 1949<ブリリア 1949>のショーツは、コンパクトなシルエットに加えて、パッチワーク仕上げ。これにより、ちょっとしたアクセントを生んでいる。同じベージュカラーをチョイスしているのが、コットンのカーディガン。こちらは、FILIPPO DE LAURENTIS<フィリッポ デ ローレンティス>が手掛けたダブルブレストのショールカラータイプ。軽やかな着心地ながらもジャケットライクに羽織れるのがポイント。特に上下の組み合わせが、Tシャツ&ショーツとなりがちなので、羽織りものを一枚用意しておくのは効果的。表情のあるリブ編みは立体感を与えてくれる。
ワントーンの中で異彩を放つのは、CIRCOLO 1901<チルコロ 1901>のTシャツ。サーフな雰囲気のプリントで遊び心を加えつつ、涼しげな印象もプラスしてくれる。
そして、さらにスパイシーに行くならば、チェックシャツの腰巻きはどうだろう。GIANNETTO<ジャンネット>のシャツ自体は、上品なものだが、取り入れるだけで90年代のグランジテイストに。ただし、チェックの色域をベージュトーンにすることで、全体と見事に調和が取れている。
締め括りは、もちろんスエードのスリッポン。パリ発のブランド、AIZEA<アイセア>によるエスパドリーユライクな一足は、ローファーのデザインを採用して、快適ながらも、かしこまった印象に。
アイテム数を加えていっても、サンドベージュの上品力で大人らしさが勝るという恒例。待ちに待った夏の旅でも活躍しそう。

同系色のカーデを羽織り、セットアップライクに

シャツを外したバージョンがこちら。サンドベージュの上下の色味がまとまっているために、トレンドのセットアップのようなまとまりが見られる。CIRCOLO1901<チルコロ1901>のTシャツに配されたプリント柄が優しいトーンなので、すんなりと調和。FILIPPO DE LAURENTIS<フィリッポ デ ローレンティス>のショールカラーカーデは、ダブルブレストがアクセント。閉めないくらいがちょうどいい。

グッドセンスなショーツが大人らしさUPに貢献

カーデ&シャツを外すと雰囲気は一変して夏らしさ全開に。CIRCOLO1901<チルコロ1901>のTシャツ素材がキメ細かで品がよいのに加えて、シルエットがコンパクトなBRIGLIA 1949<ブリリア1949>のパッチワーク風ショーツのおかげで、洒落感が醸し出されている。PERSOL<ペルソール>のサングラスでクラシカルさをプラス。

足元の締め括りをお忘れなく

ショーツの足元というと、サンダルに食指が伸びるところだが、大人らしさを求めるならば、ライトなスリッポンが好ましい。とりわけ、パリ発のブランド<AIZEA>アイセアの一足は、夏にこそ活躍必至。エスパドリーユ風のジュートソールに、上質なスエードアッパーをオン。ローファー風の顔立ちでセンスよく仕上げている。ゆえに、素足で履いても心地よく、上品に決まるのだ。

Styling


L.B.M.1911〈エルビーエム1911〉ジャケット

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FILIPPO DE LAURENTIIS〈フィリッポ デ ローレンティス〉ニット

¥40,700(tax in)


CIRCOLO1901〈チルコロ1901〉カットソー

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CIRCOLO1901〈チルコロ1901〉カットソー

¥18,700(tax in)


BRIGLIA 1949〈ブリリア1949〉パンツ

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BRIGLIA 1949〈ブリリア1949〉パンツ

¥16,500(tax in)

STYLE_102 THE BASIC …

STYLE102 L.B.M.1911(エルビーエム1911)ジャケット、ASPESI(アスペジ)のシャツ、BRIGLIA1949(ブリリア1949)のパンツで仕上げたタイリング

STYLE102 L.B.M.1911(エルビーエム1911)ジャケット、ASPESI(アスペジ)のシャツ、BRIGLIA1949(ブリリア1949)のパンツで仕上げたタイリング

2020/6/29

STYLE-102

ディテールにこそ、装う楽しみを見出してみて

 

思うままの外出がはばかられることを経験した今、改めて、自分が好きな服を好きなように身に纏い、出歩くことに楽しみがあることに感じ入る。実際、働く上で外出機会が減ったという人もいると思うが、たまの出社、外出と思えば、服装の「きちんと感」にかける思いもひとしおなんじゃないか。クールビズ以降カジュアルダウン化の進むビジネス服も、セットアップの流行によってドレスへの回帰が見られる日常着も、自分なりの楽しみを見つけて装っていただきたいものだ。「ジャケットの襟やスラックスのクリースさえあればいい」というような記号的解釈に囚われずに。
そこで今回の提案は、いわゆる紺ジャケ&白シャツ&スラックスという、ドレス服3種の神器とでもいうアイテムを使いながらも、楽しんでトレンド感を醸し出す方法をご紹介したい。
まずは、紺ジャケット。L.B.M.1911<エルビーエム1911>謹製の一枚は、軽量かつ速乾性、通気性の高いポリエステル素材をメインで使用したもの。合繊に見られるようなグロッシーな表情は皆無で、品のあるマットな顔立ちに。当然ながら、イタリアの名門が作る見事なパターニングにより、全体を引き締めてくれる。また、軽量という点においては、脱ぐシーンも少なくないので、手持ちの際もうれしい。ファンクションが喧伝される時流を捉えた一着。
インナーの白シャツに選んだのは、ASPESI<アスペジ>のオープンカラーシャツ。トラッドの王道ならば、BDシャツが一番手となるだろうが、トレンドにもなっているオープンカラーとするところが肝。あえてトップボタンを閉めることで、レギュラーカラーでは演出できないモードな雰囲気もまとえるのだ。
そしてスラックス。ボトムスの表情が全体の洒落感に大きく寄与することは言うまでもない。シルエットの流行がワイド傾向にある今、2タックの入るゆるやかなテーパードスラックスは、変化をつけるには最適手。BRIGLIA 1949<ブリリア 1949>ならば、パンツを得意とするブランドらしい安心感のあるパターニング。そして、ウエストには、共布のベルトが付属。シャツをタックインしたときに、クラシカルなアクセントとなること間違いない。
トレンドに寄せたディテールをもつアイテムでも、ベーシックであるならば、全体の調和も取れるのだから、ちょっとした冒険心をもった選びが有効。装う楽しみを改めて噛みしめながら、日々を過ごしていきたいと思うことだろう。

今や欠かせない快適性を備えた軽量ジャケット

全体をシックに引き締める紺ジャケットは、形はベーシックながら、素材が代表的。L.B.M.1911<エルビーエム1911>は、製品染に掛けたリネン素材のエッジ部分やシーム周りに独特なアタリを作り、こなれた雰囲気を作り出しています。持ち前の軽量性や通気性と相まって、毎夏登場するジャケット不要論に負けない、快適さを与えてくれるのだ。

万能ながらひとクセ効いたASPESI<アスベジ>の白シャツ

カジュアルシャツを中心にこのところジワリと人気が高まっているオープンカラーを白シャツにも採用。トップボタンを開ければもちろん涼感はアップ。写真のようにクローズすれば、襟の下にボタンが隠されることで、ミニマルな見た目に。ASPESI<アスベジ>の一枚は、フラットなカッティングの裾なので、タックアウトしても決まりやすい。カジュアルにも、ドレスにも着られる一枚。

新鮮さを醸し出すボトムスの技

洒落感を高めるシルエットメイクには、ボトムスの変化が欠かせない。BRIGLIA 1949<ブリリア 1949>は、2タックにより腰回りにボリューム感を持たせつつ、裾にテーパードさせた、「逆三角形」シルエットが現代的。さらにリネン素材なので、夏でも快適に過ごせる。その足元には、OFFICINE CREATIVE<オフィチーネ クリエイティブ>のプレーントウを合わせて、重心を下げつつもライトな色みで調和を取っている。

Styling


L.B.M.1911〈エルビーエム1911〉ジャケット

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L.B.M.1911〈エルビーエム1911〉ジャケット

¥91,300(tax in)


ASPESI〈アスペジ〉シャツ

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ASPESI〈アスペジ〉シャツ

¥35,200(tax in)


BRIGLIA 1949〈ブリリア1949〉パンツ

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BRIGLIA 1949〈ブリリア1949〉パンツ

¥36,300(tax in)

STYLE_101 BUSINESS C…

STYLE101 DUNO(デラン)セットアップ、CIRCOLO1901(チルコロ1901)のTシャツ、PHILIPPE MODEL(フィリップモデル)のスニーカーで仕上げたカジュアルスタイリング

STYLE101 DUNO(デラン)セットアップ、CIRCOLO1901(チルコロ1901)のTシャツ、PHILIPPE MODEL(フィリップモデル)のスニーカーで仕上げたカジュアルスタイリング

2020/6/2

STYLE-101

“解除後”のオン・オフに効く、「オールマイティ」なセットアップ使い

 

未曾有の感染症発生とその対策によって、生活そのものを見直さざるを得なくなった。とくに働き方や休日の過ごし方。我々の愛するファッションへの影響だって少なくない。
ここ数年においても、カジュアル傾向が強まったビジネス服と、そのカウンターとしてセットアップやジャケットにスポットが当たり始めたカジュアル服がクロスオーバーしていたが、いよいよ解除された緊急事態宣言の、それ以降も、ビジネスとカジュアルのシームレスなスタイルは、増えていく一方だろう。
ビジネスについては、業種によって我が家にいながらにして仕事を行うリモートワークも浸透。その場合、ビデオ会議などがない限りは部屋着だろうし、時折の外出については、出社や客対応がなければ、いっそうライトな出で立ちでいいだろう。
万全の対策のうえで外出する休日は、行動の選択肢が狭まるぶん、出かける際により楽しもうという、いうなれば「濃度」が高まるだろう。「せっかくのお出かけなんだから」と、装いもいっそうポジティブに飾りたい、なんていうマインドで装うのもアリだと思う。
そんな今だからこそ、両方の使用に耐えうるオールマイティな存在がありがたい。
DUNO<デュノ>のセットアップがまさにそれだ。スポーティなアウターを得意とするイタリアンブランドらしく、スポーティな機能素材であるストレッチナイロンを立体的なつくりで仕立てている。快適さ、きちんと感、都会的なルックスと三拍子揃った万能服。
ならば、着こなしもオールマイティに。リラックス感を醸しつつ、「きちんと見え」するFILIPPO DE LAURENTIS<フィリッポ デ ローレンティス>のTシャツをイン。上質な素材感の一枚だが、オリーブカラーを選べば、男らしい引き締まった雰囲気が強まる。
足元は、万能な上品顔のスニーカーで締め括りたい。PHILIPPE MODEL<フィリップ モデル>のレザースニーカーは、ボリューム感のあるソールで、モードな佇まいに。
VEE COLLECTIVE<ヴィー コレクティブ>の、大ぶりなデザイントートは、Tシャツの色にもマッチした差し色小道具としても機能。もちろん、なんでも突っ込める収納力だから、出張でも、遊びでも、使い勝手は抜群だ。
ぱっと見、仕事でも、休日のおでかけでも、文句なく使える「オールマイティ」なウェアたち。どんなシーンでも適応可能ゆえ、困難を乗り切るよき味方となってくれるはず。

機能が詰め込まれた万能ジャケット

メンブレンを挟んだ三層構造の素材を使用したDUNO<デュノ>のジャケット。パンツと同生地で伸縮性、透湿性、撥水性、防風性を備えたナイロン素材。マットな質感により、スポーティかつ都会的な雰囲気が増している。シワにもなりにくいために、脱いでいるときに、バッグに突っ込んでおいても問題ないのもうれしい。

クリアな素材感による上質Tシャツを採用

ワイルドなオリーブカラーが上品に映る理由は、上質素材にある。FILIPPO DE LAURENTIS<フィリッポ デ ローレンティス>のTシャツは、極細の糸を編み上げることで、光沢のあるクリアな表面感を獲得。肌なじみもよく、見た目と快適性を両得。DUNO<デュノ>のセットアップパンツとの素材感の相性もバッチリ。

スポーティーなボトムスがモードに映る理由

DUNO<デュノ>のセットアップパンツは、ジャケット同様の機能素材を使用しているうえに、膝にダーツの入った立体的な作りも特徴。それゆえに、グッと膝下がすぼまったテーパードシルエットに。その足元に、ボリューム感のあるアウトソールを備えたPHILIPPE MODEL<フィリップ モデル>のスニーカーを合わせて、グッとモードな表情に。アッパーにはレザーが使用されているので、同時に落ち着いた印象も与えているのだ。

Styling


DUNO〈デュノ〉ジャケット【パンツとのSet up可能モデル】

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DUNO〈デュノ〉ジャケット

¥49,500(tax in)


FILIPPO DE LAURENTIIS〈フィリッポ デ ローレンティス〉カットソー

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FILIPPO DE LAURENTIIS〈フィリッポ デ ローレンティス〉カットソー

¥16,500(tax in)


DUNO〈デュノ〉パンツ【ジャケットとのSet up可能モデル】

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DUNO〈デュノ〉パンツ【ジャケットとのSet up可能モデル】

¥23,100(tax in)


PHILIPPE MODEL〈フィリップモデル〉スニーカー】

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PHILIPPE MODEL〈フィリップモデル〉スニーカー

¥59,400(tax in)

STYLE_100_REMIXED FA…

STYLE99 DELAN(デラン)のレザージャケットとCIRCOLO1901(チルコロ1901)のスウエットパーカー、CIRCOLO1901(チルコロ1901)のパンツ、PHILIPPE MODEL(フィリップモデル)のスニーカーで仕上げたカジュアルスタイリング

STYLE100 ASPESI(アスペジ)のブルゾンとL.B.M.1911(エルビーエム1911)のジャケット、GIANNETTO(ジャンネット)のイージーパンツ、OFFICINE CREATIVE(オフィチーネ クリエイティブ)のプレントゥーで仕上げたリミックスしたスタイリング

2020/5/8

STYLE-100

ここ20年のメンズファッションをリミックスして今を表現

 

当たり前のことが当たり前でなくなってしまう。ほんの数ヶ月でかくも世の中は変わるのか。そんななかでも日常は続く。人間の生活の根幹となる「衣食住」の一角を担うだけあって、「衣」=つまり装うことからは、逃れられないものだ。働き方が変わった人もいるかもしれないが、これを機に、改めて装いについて考えてみてもいい。
ビジネスマンにとって服を着る行為は、一面では社会への帰属を表していた。それゆえにタイドアップしたスーツスタイルが主流となり、会社に属する信頼が服装によって記号化されていった。昭和のサラリーマンによる背広文化だ。そのパターン化は時に揶揄の対象ともなった。が、2000年代に入って潮目が変わる。クラシコイタリアブームののちの、クールビズ施行のインパクトだ。
ここから、仕事着がグンとカジュアル方向に舵を切られることとなる。それでも職種によって随分と出立は異なっていた。2000年代中盤によく見かけた、ノータイの半袖シャツにスラックスという多くは、まるで中学生の夏服のようでもあった。
一方で、イタリア服に魅了された洒落者たちは、インターネットの普及と重なるように、情報を収集してスタイルを磨き上げた。その途中には、アメトラ再燃、ストリートミックスといったトピックスも生まれたが、それらをうまくアレンジして現代の装いを築いている。
一見、普通のジャケパン&タイドアップ姿に映るこの装いも、ある意味で2000年代から現代までをなぞるような着こなしと言える。
主軸としているのはネイビーだ。これは、ねずみ色に象徴される背広文化の対極。ここ20年の間に、メンズ服の主役として躍り出た色だ。同様に市民権を獲得したジャケパンで仕上げる。ジャケットはL.B.M.1911<エルビーエム1911>、パンツはGIANNETTO<ジャンネット>。ともにイタリアブランドで、やはりここ20年間の日本のメンズファッションの方向性を示唆するものだ。ネイビー×ライトブラウンという相性バッチリのツートーンとしてネイビーを盛り上げる。
一方で、仕事着としての記号的存在となるタイドアップはキープ。多様化しているビジネス服において、ネクタイは騎士道における剣のような一本筋の入った存在として機能するからだ。「あえての」タイドアップ。逆に、ハズしとして機能するのが、ASPESI<アスペジ>のM-65タイプジャケット。かしこまったスタイルにミリタリー要素をミクスチャーして堅苦しさを回避。これもある意味で定番的となった手法である。
パンツが、実はイージーウエストという点もリラックス感の欠かせない現代の象徴。リモートワークが増えるなか、ゆるめの下半身はありがたい。きっちりした上半身でビデオ会議の体面を保ちつつ、下半身はリラックス。こんな点も、「今どき」なのかもしれない。

エレガンスも加えるASPESI<アスペジ>のアウター

ミリタリーデザインのアウターは、ドレス服における「ハズし」界のスタンダード。その中でも、ナイロン100%の軽快なASPESI<アスペジ>のM-65タイプジャケットは、男らしさに加えて独特のエレガンスを湛えており、日本でも人気。全体のカラーパレットを司るネイビーのアウターとして、コーディネイトを引き締めている。

リネンのライトブラウンはネイビーで引き締め

日本人のジャケパンが上手になっているなかで、着こなすと品の良さがグッと高まるのが、ライトトーンのジャケットだ。淡い色味はどうしても輪郭が曖昧になるために、パンツやVゾーンの配色が難しくなるからだ。清涼素材であるリネンを用いたL.B.M.1911<エルビーエム1911>のストライプジャケットは、パンツ、ネクタイ、アウターと、徹底的にネイビーと合わせることで、シャープさを加え、シックな仕上がりに貢献。

リラックス感と美しいシルエットを両立

現代のキーワードとして欠かせないのが、「リラックス感」。そこを担うのが、GIANNETTO<ジャンネット>のイージーパンツ。ドローコードによるウエストは、締め付けがなく心地良し。さらに、美しいシルエットが保たれるために、もちろん、「ビデオ会議」以外の外出の際にも有用。足元はジャケットの茶系を拾って、OFFICINE CREATIVE<オフィチーネ クリエイティブ>のプレーントウで締めくくり。

Styling


ASPESI〈アスペジ〉ブルゾン

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ASPESI〈アスペジ〉ブルゾン

¥68,200(tax in)


L.B.M.1911〈エルビーエム1911〉ジャケット

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L.B.M.1911〈エルビーエム1911〉ジャケット

¥97,900(tax in)


GIANNETTO〈ジャンネット〉パンツ【ジャケットとのSet up可能モデル】

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GIANNETTO〈ジャンネット〉パンツ【ジャケットとのSet up可能モデル】

¥36,300(tax in)

STYLE_99_AMERICAN CA…

STYLE99 DELAN(デラン)のレザージャケットとCIRCOLO1901(チルコロ1901)のスウエットパーカー、CIRCOLO1901(チルコロ1901)のパンツ、PHILIPPE MODEL(フィリップモデル)のスニーカーで仕上げたカジュアルスタイリング

STYLE99 DELAN(デラン)のレザージャケットとCIRCOLO1901(チルコロ1901)のスウエットパーカー、CIRCOLO1901(チルコロ1901)のパンツ、PHILIPPE MODEL(フィリップモデル)のスニーカーで仕上げたカジュアルスタイリング

2020/3/26

STYLE-98

大人はアメカジスタイルをマンネリ化させない

 

僕らは好みの服を選んで、着ている。安定感とマンネリは裏腹で、好きだからと言って同じコーディネイトばかりしていると、一方でマンネリなのでは?という懸念が押し寄せる。そんなときは、かのスティーブ・ジョブスを思い出し、彼だって年中同じコーディネイトではなかったか。などと自己肯定してみる。ところが実は、彼がまとっていたのは、シンプルなコーデがキマる一流コレクションブランドのそれだと知って愕然とする。
そこまでして徹底的にこだわりたいわけではないけれど、等身大な自分らしくありながら、少しの新鮮さを纏うことができたら……。多くの男性が普段着に対して思うところじゃないか。
「等身大」に当てはまるテイストの一つに、いわゆる「アメカジ」を挙げる人は少なくないだろう。20世紀アメリカが生んだワークウェア、スポーツウェアを軸とした着こなしだ。特にプレッピーとも呼ばれるカレッジテイストの服は、気負うことなく着られるためについつい手にとってしまうもの。これを大人となった今、青少年期の感覚のままコーディネイトしてしまうと、見た目のチグハグ感が生まれてしまうかもしれない。
ここに必要なのは、選ぶ基本アイテムのアップグレードと、合わせるアイテムのアップデートとなる。
まずは、選びのアップグレードから。プレッピーに欠かせないレタードのパーカ。これは、イタリア生まれのブランド、CIRCOLO1901<チルコロ1901>をチョイス。上質なスウェット素材に加えてシンプルなロゴが大人の雰囲気をアップする。羽織ったDELAN<デラン>のGジャンが実はスエードレザーという点も、かつてはボロボロのインディゴデニムだった素材感を品よく変換させている。また、スニーカーについても同様。単なるスポーツブランドのそれでなく、モードな香り漂うPHILIPPE MODEL<フィリップ モデル>の一足に。
すると、合わせるボトムスはチノやデニムを想像させるが、ここは前述のとおり着こなしのアップデートが必要なところ。大人の雰囲気を増幅させるグレンチェックのスラックス風スウェットパンツが有効だ。トレンドとなるリラックス素材のスウェットを美しいシルエットに仕立てた一本ならば、カレッジスタイルがグッと格上げされるという算段。結果、イタリア風なアップグレードとアップデートにより、「等身大」でありながらも、少しの新鮮さで、大人らしく着こなすことが可能。マンネリなアメカジスタイルとおさらばするならば、こんな服選びを実践してみては?

Gジャンに見せかけて、実はスエードという一枚

大人の雰囲気をいっそう際立たせるのが、DELAN<デラン>のスエードレザートップス。Gジャンのデザインに仕立てつつ、細かな起毛が繊細さを強調。縦長シルエットもエレガント。ポリッシュされたメタルボタンもアクセントとなり、パーカのフードアウトスタイルからもどこか気品が漂ってくるのだ。

パーカ選びにも上品さを追求してみて

スウェットパーカには、CIRCORO1901<チルコロ1901>のホワイトをチョイス。色味はもちろんのこと、表面のキメもクリアなので上品。カレッジテイストを意識して選んだ、シンプルデザインのロゴ使いからも大人の雰囲気が。ストレッチスウェットなので、重ね着でも心地よく着られる。

騙し絵効果絶大なCIRCOLO1901<チルコロ1901>のパンツ

一見スラックスのように見えるグレンチェックがプリントされたスウェットパンツをチョイス。こちらもスウェット素材に定評があるCIRCOLO1901<チルコロ1901>の一本。テーパードされた美しいシルエットは、モダンさを加えてくれる。足元はパンツと同系色のスニーカー。PHILIPPE MODEL<フィリップ モデル>のレトロランナータイプは、ヒールに配されたイエローが、着こなし全体のほどよいアクセントにも。

Styling


DELAN〈デラン〉レザーブルゾン

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¥107,800(tax in)


CIRCOLO1901〈チルコロ1901〉スウエットパーカー

Please wait

 


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¥31,900(tax in)


CIRCOLO1901〈チルコロ1901〉パンツ

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CIRCOLO1901〈チルコロ1901〉パンツ

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PHILIPPE MODEL〈フィリップモデル〉スニーカー

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¥59,400(tax in)

STYLE_98, 2020 SPORT…

STYLE98 WOOL COAT &
STYLING_HEVO(イーヴォ)のコートとFILIPPO DE LAURENTIIS(フィリップデローレンティス)のニット、BRIGLIA1949(ブリリア1949)のパンツで仕上げたカジュアルコートスタイリング

STYLE96 WOOL COAT STYLING_HEVO(イーヴォ)のコートとFILIPPO DE LAURENTIIS(フィリップデローレンティス)のニット、BRIGLIA1949(ブリリア1949)のパンツで仕上げたカジュアルコートスタイリング

2020/1/23

STYLE-97

相反する2つの要素を掛け合わせ、新たな挑戦を

 

来るべきスポーツの祝祭に向けて、そして、まもなく訪れる春に向けて。軽快にして、スタイリッシュなスポーティレイヤードは、まさに気分だ。カジュアル服において、スポーツ由来のウェアというのは、我々にとってかなり馴染みがあるものだが、旬な感覚を取り入れつつの重ね着となると、途端に難しく感じるのではないだろうか。例えば、普段のワークアウトやランニングで着る服がそのままカジュアルに使えるかというとそうでもない。さらには、スウェットを取り入れてみたものの、まんま部屋着に見られてしまうことも。
そうはいっても、恐れることなくスポーティに着こなしたい。ならば、アスリートさながらの「挑戦」をしてみるのはいかがだろう。一つは、異なるカテゴリーとのミクスチャーだ。スポーティな服ばかり揃えては、アスリートそのものだ。だからこそ一点、クラシカルな仕立てのコートを羽織るのだ。
そこで白羽の矢を立てたいのが、HEVO<イーヴォ>の一枚。いわゆるチェスターコートの類だが、ゆったりしたシルエットで、トレンドも押さえている。さらには、ポリエステルとウールほかの混紡素材を使用しており、見た目以上の軽やかさがあるのだ。
そしてもうひとつの挑戦。それが真っ白な上下だ。ここに選んだのは、DUNO<デュノ>のセットアップ。ストレッチナイロンを使用したパーカとパンツは、シャープなシルエットとも相まってクールなビジュアルを演出してくれる。上下ホワイトの潔さをマイルドに仕上げてくれるのが、さきほどのコートのネイビーだ。影があるからこそ、光が映えるように、セットアップのホワイトを引き立ててくれるというわけだ。
どうせならば、足元にも同じくホワイトを採用したいところ。ここに投入したのは、PHILIPPE MODEL<フィリップ モデル>のスニーカー。ボリュームのある佇まいでモードなスパイスが加わる。
クラシカル×スポーティ。ネイビー×ホワイト。相反する二つの要素を掛け合わせることで生まれる新鮮な雰囲気。2020年代という新しいディケード(10年)の幕開けにも相応しいスポーティコーデにトライしてみるのも悪くないだろう。

潔い配色のコーデだからこそ、小技を利かせて

トップスのフーディーは、フルクローズしたときに、スタンドカラーとなる仕立て。風の侵入を防いでくれる機能的な側面と同時に、見栄えの良さも両得。止水ジップのブラックが、ホワイト上下のアクセントとなり、Vゾーンの間を取り持ってくれるのだ。また、セットアップのストレッチナイロンと光沢あるコートの混紡素材のコントラストも良好。ミニマルな配色のスタイリングに奥行きを与えてくれる。

アウターを脱げば、そのままワークアウトも

素材に使用したストレッチナイロンの伸縮性の高さだけでなく、防風性・撥水性まで備える高機能が持ち味。随所のポケットはジップを備えており、デザインのアクセントだけでなく、実際のワークアウトで着用したときにも、入れたものが落ちないというメリットも。マットな素材感も都会的だ。

ホワイトのボトムスでシャープさを強調

フーディーと同素材を用いたスポーティなパンツ。膝裏にカッティングを施して下に切り替えを入れて細身なテーパードシルエットに仕上げている。ラバーとコードを組み合わせたイージーウエストは、実際にスポーツシーンでも使い勝手よし。合わせたスニーカーは、イタリアブランドのPHILIPPE MODEL<フィリップ モデル>。ホワイト一色のなかで、スエードとキャンバスを組み合わせたミニマルな世界観が、着こなしに程よい味を与えてくれる。

Styling


HEVO〈イーボ〉コート

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HEVO〈イーボ〉コート

¥86,900(tax in)


DUNO〈デュノ〉ブルゾン

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DUNO ブルゾン

¥53,900(tax in)


DUNO〈デュノ〉パンツ

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DUNO〈デュノ〉パンツ

¥23,100(tax in)

STYLE 97,CAMOUFLAGE …

STYLE95 WOOL COAT STYLING_HEVO(イーヴォ)のコートとFILIPPO DE LAURENTIIS(フィリップデローレンティス)のニット、BRIGLIA1949(ブリリア1949)のパンツで仕上げたカジュアルコートスタイリング

STYLE96 WOOL COAT STYLING_HEVO(イーヴォ)のコートとFILIPPO DE LAURENTIIS(フィリップデローレンティス)のニット、BRIGLIA1949(ブリリア1949)のパンツで仕上げたカジュアルコートスタイリング

2020/1/23

STYLE-97

“クラシカル・ミーツ・カモ柄” に見るダンディの現在地

 

迷彩柄=カモ柄は、好みが別れるデザインだろう。ファッションの一スタイルとして確率したミリタリーを代表する柄ではあるが、主張の強さゆえに敬遠してしまうかもしれない。そうは言っても魅力的だ。使用する分量にもよるが、コーディネイトの主役になることは間違いなく、パンチを効かせたいという悩みがあるならば、一髪で解決してくれるはずだろうから。
さて、何が敬遠を呼ぶのか。ストリートの人気柄=子供っぽい? 色数が多くてまとまりにくい? ミリタリーは好きじゃない? ならば、ひとつずつ解きほぐし、躊躇する背中を押していきたい。まずは、“子供っぽい”について。これは、着こなしで解決できるだろう。話は半世紀前に遡るが、今はなき伝説的な青年誌『平凡パンチ』において「オール日本ミスター・ダンディは誰か?」という企画があった。そのなかで「ダンディとは、クラシックでありながらつねに新しさを失わない男性的な言葉である」とダンディを定義(『「カッコいい」とは何か』平野啓一郎より)している。ヒントはこれだ。大人の男が重んじるクラシカルな装いに、新鮮なミリタリーテイストを加えることでダンディに近づけるはず。すなわち、「クラシカルに一点カモ柄」が大人的なダンディ表現の一手となるのだ。
2番手の“色数が多くて、まとまりにくい”に関しては、全体のトーンが落ち着いたものをおすすめしたい。今や柄の種類は多様化しており、リアルな柄からデジタルなものまで、派生した柄が豊富だから、このチョイスに関してはたやすいことだろう。
最後の件。ミリタリーは好きじゃない。のであれば、お引き取り願うところかもしれないが、考え方ひとつで、取り入れられる。軍服の意味性を排除した多色づかいの幾何学模様と捉えればよいのだ。カーキやオリーブ、ベージュといった“そのまんま”ではないデザインや配色を選ぶことで実現可能。前述のとおり多様化する迷彩柄を考慮に入れればいい。
これらをすべて体現しているのが、今回のコーデだ。軸となっているのは、DUNO<デュノ>のカモ柄ダウンジャケット。リップストップ生地にプリントされたブルー系カモ柄に、スポーティなデザイン。700フィルパワーのかさ高によるボリュームあるスタイルは、モダンそのもの。そう、探せばあるのだ。FILIPPO DE LAURENTIIS<フィリッポ デ ローレンティス>のカーディガン、BRIGLIA 1949<ブリリア 1949>のスラックスで、クラシカルにまとめたなかに、一点「映え」がごとくに本アウターを投入し、見事ダンディ化に成功。また、ブルー系カモ柄がミリタリー感を和らげつつ、男が好きな色ブルー、ネイビー、ブラックのマルチカラーでアイキャッチをメイク。冒頭に記した3つの懸念を払拭する。まだまだ寒さがつのるこの時季、令和的な新ダンディズムを実践してみては。

クラシカルななかにリラックス感を宿すトップス

スポーティなDUNO<デュノ>のダウンジャケットを脱げば、ご覧のシックさ。ミッドレイヤーとして差し込んでいる、FILIPPO DE LAURENTIIS<フィリッポ デ ローレンティス>のカーディガンは、リラックスした雰囲気が魅力。ウールをベースにナイロンをブレンドすることで軽量とし、カシミヤをブレンドして肌触りを向上。ジャケットほど堅苦しくないけれど、インナーがカットソーでも様になる。なお、CIROLO1901<チルコロ1901>のカットソーもイタリアの名門による確かな作りで、素材感も美しい。

1プリーツスラックスでモダンさもトッピング

選んだスラックスは、イタリアが誇るパンツ専業ブランドのBRIAGIA 1949<ブリリア 1949>。化繊ながらもウールライクな見た目とストレッチ性をもつリラックス仕立て。ワンプリーツのゆるやかなテーパードシルエットにより、上品さとリラックス感を両立。クラシカルな一本ながらも現代的なスタイルにアジャストしており、現代のダンディを表現するにはうってつけ。

気鋭のレトロスポーティなスニーカーで「画龍点睛」を

ダウンジャケットの軽快さを拾うのが、足元のスニーカーの役割。フランス人デザイナーが、イタリアのクラフトマンシップを生かして作るPHILIPPE MODEL<フィリップ モデル>のレトロスポーティな人気モデル「TROPEZX」で、ラグジュアリーかつクラシカルな印象をプッシュアップ。ネイビー系ということで色味もトップスのカモ柄に準じており、全体の調和もキープしてくれる。

Styling


DUNO〈デュノ〉ダウンブルゾン

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¥86,900(tax in)


FILIPPO DE LAURENTIIS〈フィリッポ デ ローレンティス〉ニット

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¥42,900(tax in)


CIRCOLO 1901〈チルコロ1901〉カットソー

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¥16,500(tax in)


BRIGLIA 1949〈ブリリア1949〉パンツ

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¥38,500(tax in)


PHILIPPE MODEL〈フィリップ モデル〉シューズ

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¥49,500(tax in)

STYLE-96,BIG SILHOUE…

STYLE95 WOOL COAT STYLING_HEVO(イーヴォ)のコートとFILIPPO DE LAURENTIIS(フィリップデローレンティス)のニット、BRIGLIA1949(ブリリア1949)のパンツで仕上げたカジュアルコートスタイリング

STYLE96 WOOL COAT STYLING_HEVO(イーヴォ)のコートとFILIPPO DE LAURENTIIS(フィリップデローレンティス)のニット、BRIGLIA1949(ブリリア1949)のパンツで仕上げたカジュアルコートスタイリング

2019/12/27

STYLE-96

ビッグシルエットのコートを大人が楽しむには その2

 

前回(STYLE-95)で紹介したビッグシルエットコート。HEVO<イーヴォ>のそれは、ほどよくゆったりしたAラインにしてウエストベルトを備えており、そのドレープ感を自在に操れる代物だ。コーディネイトに占める面積の割合が多いアイテムということで、そのチョイスには厳正な目線が必要となるが、まさにそこにかなう一枚がこちらというわけだ。
パーカーをインした前回をストリート風アレンジと呼ぶならば、ここで提案したいのは、冬の色遊びといえるだろう。冒頭で指摘したように、コーデの面積が広いということは、それだけ、色の印象も強く残せる。とりわけメンズにおけるコートの色味は濃色が多い。トレンドカラーで変化を与えるのは、効果的にして常套手段のひとつ。
とはいえ、「色物」に関しては、二の足を踏みがちなのが男性ではなかろうか。それでも、2000年代初頭より、男性たちにもじわじわとファッショナブルなマインドが浸透しており、「色物」への抵抗感は薄れているといってもいい。実際、街角を見渡せば、ねずみ色のコートばかりという昭和時代は完全に過去のものとなり、実に多彩になったものだと感じ入る。
ここで提案したいのは、赤みの強いブラウン。日本の伝統色でいうならば、「海老茶」に近い色だ。今冬はブラウンがトレンドカラーであり、赤みが強いためにいわゆる「映え」がするもの。地味に見せたくないとて赤を着るとなると及び腰になるが、「海老茶」くらいの渋みのある色合いは、大人の男に色気を与えてくれる。ゆったりしたシルエットの海老茶色が歩くたびにゆらめくさまは魅力的だ。さらに言えば、トレンドのアイテムでトレンドカラーを採用するというトレンド合い盛りに。そう、1着で、形と色という2種類の冒険ができるのだ。
これをいかに着こなすか。基本はトーン・オン・トーン。同系の色味を随所に差し込むと巧みな着こなしに映る。ここでは、インナーにFILIPPO DE LAURENTIS<フィリッポ デ ローレンティス>のカラーニットをチョイス。ブルーのベースカラーに、こちらは紅葉を思わせるような煉瓦色。コートの色味よりは一段明るくなっている。
BRIGLIA 1949<ブリリア 1949>のパンツは、グレンチェック柄に。無地だと平板な印象となるが、細かな柄によって全体に奥行き感が生まれてくる。ライトなブラウンが混ざった「グレージュ」寄りのために、ブラウン系の統一感が生まれている。同様に足元は、OFFICINE CREATIVE<オフィチーネ クリエイティブ>のプレーントウで引き締め。コマンドソールを備えており、トップスに負けない重量感でボリュームのバランスも整えている。トレンドと聞くと、少々軽々しい気もするが、選びとこなしによって、結果的に渋みの効いた大人の着こなしが会得できるならば、悪くないのでは?

色だけでなく、あしらい方でも楽しめるHEVO<イーヴォ>のコート

ダブルブレストの2ボタンという個性的なルックスをもつHEVO<イーヴォ>のメルトンコート。幅広のフィッシュマウス風ラペルがアクセントに。付属するウエストのストラップは、後ろで調節することで、Aラインを絞り込んだり、両端をポケットにしまってあえて縛らないことで、ゆったり感を楽しんだりもできる。写真ではカジュアルに着こなしたが、渋めの海老茶色は、スーツスタイルを艶やかに見せてくれる。

美しいブルーと煉瓦色のメランジニット

インナーに選んだのは、表面を引っ掻いたシャギー感を残す、FILIPPO DE LAURENTIS<フィリッポ デ ローレンティス>のカラーニット。ここでは、海老茶色のコートに合わせて、煉瓦色のラインが胸にあしらわれたブルーベースの一枚を。2012年にイタリアはアドリア海沿岸の街、ペスカーラ生まれらしく、鮮やかな発色が魅力的。ベースのブルーもふくめたメランジ調のニュアンスある色みが、立体的に見せる。鮮やかな色なので、ダークカラーのアウターにおける挿し色使いも効果的だ。

ボトムスは、温かみのあるブラウン系で

色と形の面で「トレンド合い盛り」となるトップスを、大人らしくまとめあげるのが、グレンチェックのパンツ。BRIGLIA1949<ブリリア1949>のテーパードタイプは、2プリーツ入っており、こちらもトレンドとなる。つまりはトレンド3種盛り。それでも、ブラウンがかったグレージュの配色で、全体のトーンを崩さない。締めくくりは、OFFICINE CREATIVE<オフィチーネ クリエイティブ>謹製となるブラウンのプレーントウで、トーン・オン・トーンを補強。

Styling


HEVO〈イーヴォ〉コート

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HEVO〈イーヴォ〉コート

¥104,500(tax in)


FILIPPO DE LAURENTIIS〈フィリッポ デ ローレンティス〉ニット

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FILIPPO DE LAURENTIIS〈フィリッポ デ ローレンティス〉ニット

¥36,300(tax in)


BRIGLIA 1949〈ブリリア1949〉パンツ

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BRIGLIA 1949〈ブリリア1949〉パンツ

¥40,700(tax in)


OFFCINE CREATIVE〈オフチーネクリエイティブ〉シューズ

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¥74,800(tax in)

STYLE-95, BIG SILHOU…

STYLE95 WOOL COAT STYLING_HEVO(イーヴォ)のコートとFILIPPO DE LAURENTIIS(フィリップデローレンティス)のニット、BRIGLIA1949(ブリリア1949)のパンツで仕上げたカジュアルコートスタイリング

STYLE95 WOOL COAT STYLING_HEVO(イーヴォ)のコートとFILIPPO DE LAURENTIIS(フィリップデローレンティス)のニット、BRIGLIA1949(ブリリア1949)のパンツで仕上げたカジュアルコートスタイリング

2019/12/11

STYLE-95

ビッグシルエットのコートを大人が楽しむには

 

見過ごしがちだが、コートにもトレンドは存在する。値が張る重衣料だけに、コロコロと買い換えるわけにもいかないし、そもそも選びの目線が「10年着られる定番」のようなものに向きがち。そのため我々はコートに対して「時代性を加味する」ことに少し無頓着なのかもしれない。
ところが、今年は少し様相が違う。シルエットのゆったりしたコートがまさに全盛期。花盛りである。数シーズン前からモードブランドが軒並み90年代的なストリートスタイルを志向する中で、ビッグシルエットがジワリと市民権を獲得。ついにこの冬、リアルクローズにおいても大ブレイクを果たしたと見ていいだろう。
となれば、気になるところだが、大人としての対応はいかに。少々子供っぽく映るのでは、という懸念もあるが、それを解消して、大人のビッグシルエットを楽しませてくれるのが、HEVO<イーヴォ>の一枚。ゆったりめといってもルーズではない、ほどよいショルダーラインは、ラグランスリーブの賜物。身幅も広めながらも、イタリアブランドらしいパターニングにより、美しいAラインをキープしている。
だからといって、マジメすぎる作りかといえばさにあらず。フロントはダブルブレストの2ボタン。水平に2つ並ぶ配置が面白い。さらに、大きく仕立てられたラペルもアイキャッチとなっており、デザイン的に遊びを入れながら、ビッグシルエットとのバランスもキープしているのだ。
時代性と大人らしさを両得したコート。コーディネイトに占める面積も少なくないために一枚羽織るだけでも十分に様になり、さほど着こなしを悩ませるものではない。そんななかで代表例に挙げたいのは、モードを賑わせる「ストリート感」を加味したコーディネイト。スポーティなアイテムであるパーカをインしたスタイルだ。
このチョイスを上品にすることで絶妙なバランスが取れる。ここで着用したのは、FILIPPO DE LAURENTIS<フィリッポ デ ローレンティス>のニットパーカ。メランジ調でありながら、ウールにカシミヤを混紡した素材の見た目と肌触りがとってもラグジュアリーに。シンプルな色合いでも大人の雰囲気が醸し出せるのだ。
そして、時代性をさりげなく取り入れているのが、BRIGLIA<ブリリア>のコットンパンツ。テーパードの効いたシルエットでトップスのボリューム感を引き受けながら、裾に向けてすぼまるシャープさを演出してくれる。大人ならではのビッグシルエットの扱いがわかれば、躊躇する必要ななし。今をときめくコートライフは、この1着で楽しんでみよう。

トレンド感以上に着こなしの幅も広がる一枚

ご覧のとおり Aラインのシルエットが美しい<イーヴォ>のコート。これが大人らしく映る理由はもうひとつ。実は、ウエストコードが備わっているのだ。このようにフロントを開けてもリラックス感があるが、ボタンを留めずにコードを緩くまとめれば、ガウンライクにも羽織れる。ウールにナイロンを混紡したメルトン素材は、見た目の存在感より軽やか。着こなしの多様性もある一枚。

スポーティにして上品なパーカを選ぶべし

スポーティながらも上品さが醸せるのが、FILIPPO DE LAURENTIS<フィリッポ デ ローレンティス>のニットパーカだ。ヴァージンウールとカシミヤを混紡した素材がもたらす光沢感は、写真からも伝わるはず。ボトムスとはグレートーンで揃えて、コートのネイビーで引き締めるという算段。

グレーからブラウンを繋ぐトープカラーのテーパードパンツ

ボトムスには、パーカのグレートーンと揃えてトープカラー(グレージュ)としたBRIGLIA<ブリリア>のコットンパンツをオン。細かな毛羽の立つピーチスキンの仕上げで、マットな印象に。ウエストの1プリーツは、トレンドでもあり、シルエットの美しさも強調してくれる。足元は、OFICINE CREATIVE<オフィチーネ クリエイティブ>のプレーントウ。濃度のあるブラウンで足元を引き締めつつ、ストリートな雰囲気にもマッチするボリューム感もちょうどいい。

Styling


HEVO〈イーヴォ〉コート

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HEVO〈イーヴォ〉コート

¥104,500(tax in)


  • FILIPPO DE LAURENTIIS〈フィリッポ デ ローレンティス〉ニット

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    FILIPPO DE LAURENTIIS〈フィリッポ デ ローレンティス〉ニット

    ¥40,700(tax in)


  • CIRCOLO 1901〈チルコロ1901〉カットソー

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    CIRCOLO 1901〈チルコロ1901〉カットソー

    ¥16,500(tax in)


  • BRIGLIA 1949〈ブリリア1949〉パンツ

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    BRIGLIA 1949〈ブリリア1949〉パンツ

    ¥25,300(tax in)

    STYLE-94, ROUGH JACK…

    STYLE94 LEATHER COAT & JACKET STYLE_CIRCOLO1901(チルコロ1901)とBRIGRIAのパンツ

    STYLE93 JACKET STYLE_CIRCOLO1901(チルコロ1901)のスウエットパーカーセットアップとDUNOのダウンベスト

    2019/10/24

    STYLE-94

    無骨さと色香……男の魅力を詰め込んだレザーコートのススメ

     

    身に着けるだけで印象が変えられる服の代表格がレザーだろう。特に銀面をもつスムースレザーは、「男らしい」「骨太」といった記号的な意味合いさえ備えるマテリアル。この格好良さについては、映画『乱暴者(あばれもの)』のマーロン・ブランドや、NYパンクバンド、ラモーンズのスタイルなどを挙げるまでもないか。
    レザーウェアにおける代表格といえば、ライダーズジャケットやフライトジャケットだが、男らしさを保ちつつ、グッと風格や品の良さを加えるならば、レザーコートは選択肢に浮上する。ブルゾンスタイルとは異なる色気や艶が途端に立ち上るからだ。
    そうは言っても、幾分ハードルは上がってしまうのは、正直なところ。どのように手懐けるのかが、悩ましい。
    まずは、選びについて。ちょうどいいのは、腰丈くらいだろう。ロング丈は避けたいところ。レザー自体の重量もあるし、見た目の重苦しさも伴ってしまう。そして艶やかさという点においては、ラムレザーが魅力的。見るからにしっとりとした艶感・光沢感は、装い全体をクールに見せてくれる。
    その点において、イタリア発のレザーブランド、DELAN<デラン>のレザーコートはうってつけとなるだろう。光沢のある上質なラムレザーで仕立てられており、上記の条件を満たす。それでいて、ピーコートのような広い襟により、デザインの点でも遊びがきいている。骨太さにエレガンスを加えてくれるのだ。
    そして、レザーコートを操る着こなしについて。これは、ぜひともタイドアップを推奨したい。ソリッドな佇まいをいっそう引き締めてくれるからで、コーディネイトをご覧いただければ、納得していただけるはず。
    トラッドなジャケット&デニムをワントーンでまとめたスタイル。ベロア素材によるCIRCOLO1901<チルコロ1901>のジャケットにBRIGLIA<ブリリア>のデニムの組み合わせにより、イタリアンな大人の雰囲気を演出。
    シンプルなGIANNETTO<ジャンネット>の白シャツとEREDI CHIARINI<エレディ キアリーニ>のタイからなる、ソリッドなVゾーンが、コートの襟からも覗き、シャープネスを後押しする。
    いわゆるスマートカジュアルにあたるが、黒いレザーの男らしさを効果的に高めてくれるスタイル。このあたりから、レザーコートを始めてみたい。

    Vゾーンを覗かせるメリットもあるレザーコート

    まるでシングルブレストのピーコートといった独創的なデザイン。大きな襟がモードな魅力を打ち出してくれる。DELAN<デラン>は、1974年からエンポリで続くレザー専業のブランド。上質レザーをセンスよく仕上げる巧みの技で、人気と実力を兼ね備える。Vゾーンが広く、コートを着用してもタイドアップスタイルを見せられるのもメリット。ドレッシーな着こなしが映えるのだ。

    ドレッシーなベロアジャケットでレザーとコントラストを

    コートと対照的に、細かな毛羽立ちによる光沢感がフォーマルなテイストを加えてくれるのが、ベロア素材のネイビージャケット。CIRCOLO1901<チルコロ1901>のストレッチジャケットは、雰囲気の良さに加えて、快適性もプラス。うっすらと入るストライプに遊び心を滲ませる。GIANNETTO<ジャンネット>の白シャツとEREDI CHIARINI<エレディ キアリーニ>のソリッドタイにより、シャープなVゾーンに。

    セクシーなシルエットのデニムでカジュアルダウン

    BRIGLIA<ブリリア>は、イタリア発のパンツ専業ブランド。シルエットメイキングには、一日の長がある。清潔な雰囲気のウォッシュドデニムの裾をロールアップして、OFFICINE CREATIVE<オフィチーネ クリエイティブ>のプレーントウで、トラッドにまとめる。それでも、イタリアブランドらしいセクシーな雰囲気が醸せるのが面白いところだ。

    Styling


    CIRCOLO1901〈チルコロ〉ジャケット

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    CIRCOLO1901〈チルコロ〉ジャケット

    ¥69,9300(tax in)


    GIANNETTO〈ジャンネット〉ホワイトシャツ

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    ¥25,300(tax in)


    OFFICINE CREATIVE〈オフィチーネ クリエイティブ〉シューズ

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    OFFICINE CREATIVE〈オフィチーネ クリエイティブ〉シューズ

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