
2019/10/24
STYLE-94
無骨さと色香……男の魅力を詰め込んだレザーコートのススメ
身に着けるだけで印象が変えられる服の代表格がレザーだろう。特に銀面をもつスムースレザーは、「男らしい」「骨太」といった記号的な意味合いさえ備えるマテリアル。この格好良さについては、映画『乱暴者(あばれもの)』のマーロン・ブランドや、NYパンクバンド、ラモーンズのスタイルなどを挙げるまでもないか。
レザーウェアにおける代表格といえば、ライダーズジャケットやフライトジャケットだが、男らしさを保ちつつ、グッと風格や品の良さを加えるならば、レザーコートは選択肢に浮上する。ブルゾンスタイルとは異なる色気や艶が途端に立ち上るからだ。
そうは言っても、幾分ハードルは上がってしまうのは、正直なところ。どのように手懐けるのかが、悩ましい。
まずは、選びについて。ちょうどいいのは、腰丈くらいだろう。ロング丈は避けたいところ。レザー自体の重量もあるし、見た目の重苦しさも伴ってしまう。そして艶やかさという点においては、ラムレザーが魅力的。見るからにしっとりとした艶感・光沢感は、装い全体をクールに見せてくれる。
その点において、イタリア発のレザーブランド、DELAN<デラン>のレザーコートはうってつけとなるだろう。光沢のある上質なラムレザーで仕立てられており、上記の条件を満たす。それでいて、ピーコートのような広い襟により、デザインの点でも遊びがきいている。骨太さにエレガンスを加えてくれるのだ。
そして、レザーコートを操る着こなしについて。これは、ぜひともタイドアップを推奨したい。ソリッドな佇まいをいっそう引き締めてくれるからで、コーディネイトをご覧いただければ、納得していただけるはず。
トラッドなジャケット&デニムをワントーンでまとめたスタイル。ベロア素材によるCIRCOLO1901<チルコロ1901>のジャケットにBRIGLIA<ブリリア>のデニムの組み合わせにより、イタリアンな大人の雰囲気を演出。
シンプルなGIANNETTO<ジャンネット>の白シャツとEREDI CHIARINI<エレディ キアリーニ>のタイからなる、ソリッドなVゾーンが、コートの襟からも覗き、シャープネスを後押しする。
いわゆるスマートカジュアルにあたるが、黒いレザーの男らしさを効果的に高めてくれるスタイル。このあたりから、レザーコートを始めてみたい。
Vゾーンを覗かせるメリットもあるレザーコート
まるでシングルブレストのピーコートといった独創的なデザイン。大きな襟がモードな魅力を打ち出してくれる。DELAN<デラン>は、1974年からエンポリで続くレザー専業のブランド。上質レザーをセンスよく仕上げる巧みの技で、人気と実力を兼ね備える。Vゾーンが広く、コートを着用してもタイドアップスタイルを見せられるのもメリット。ドレッシーな着こなしが映えるのだ。
ドレッシーなベロアジャケットでレザーとコントラストを
コートと対照的に、細かな毛羽立ちによる光沢感がフォーマルなテイストを加えてくれるのが、ベロア素材のネイビージャケット。CIRCOLO1901<チルコロ1901>のストレッチジャケットは、雰囲気の良さに加えて、快適性もプラス。うっすらと入るストライプに遊び心を滲ませる。GIANNETTO<ジャンネット>の白シャツとEREDI CHIARINI<エレディ キアリーニ>のソリッドタイにより、シャープなVゾーンに。
セクシーなシルエットのデニムでカジュアルダウン
BRIGLIA<ブリリア>は、イタリア発のパンツ専業ブランド。シルエットメイキングには、一日の長がある。清潔な雰囲気のウォッシュドデニムの裾をロールアップして、OFFICINE CREATIVE<オフィチーネ クリエイティブ>のプレーントウで、トラッドにまとめる。それでも、イタリアブランドらしいセクシーな雰囲気が醸せるのが面白いところだ。