Naoko's Styling Room大草直子が 今、会いたい人

vol.2 望月律子さん

スタイリングディレクターの大草直子さんとゲストがジェンテ ディ マーレのアイテムで装い、着こなしについて語り合う連載。第2回は、プライベートでも親交があるというスタイリストの望月律子さんをゲストに迎え、「FILIPPO DE LAURENTIIS(フィリッポ デ ローレンティス)」のニットアイテムをまとっていただきました。

Today's Guest...望月律子
スタイリスト。ベーシックなアイテムを用いて提案するこなれたコーディネートに定評が。2021年10月より特別な日のファッションを提案する完全予約制のプライベートレンタルサロン「Allons-y」を主宰。インスタグラム:@ritsukomochizuki

Host...大草直子
ファッション誌編集者から活動の幅を拡げ、スタイリングディレクターへ。イベント出演やブランドとのコラボレーションを多数手がける。WEBメディア「AMARC(amarclife.com)」を主宰。『AMARC magazine』の編集長兼発行人。インスタグラム:@naokookusa

着こなしやアクセサリー
使いで叶う、

何通りもの
バリエーション

大草さん(以下大草):ジェンテ ディ マーレの服を着て語り合う、通称「直子の部屋」へようこそ! りっちゃんとはもう10年以上のお付き合い。共通の知り合いを通じて友人になり、お仕事もご一緒させてもらうように。いつもしっかりとした理論にのっとり、職人のような誠実さでお仕事と丁寧に向き合っている姿を尊敬しています。

望月さん(以下望月):このたびはお呼びいただいてありがとうございます。大草さんとは本当に長いお付き合い。もちろんごはんに行ったりお茶したりもしますが、遠方でのイベントを一緒にやらせていただいた帰りに温泉旅行に行くとか、仕事とプライベートがよい具合に溶け合っていますよね。私のほうこそ、ものすごく忙しいのに次を考えながらつねにチャレンジを続けていらっしゃる大草さんを、大人の女性としてとてもリスペクトしているんです。もちろん、スタイリングそのものも。好きなものが近いけれど同じじゃないから、そこがいつもおもしろくて、刺激をもらえるというか。

大草:うれしい! 私も、りっちゃんの買ったものはいつもインスタでチェックしちゃう。りっちゃんのスタイリングは、私的に命名するなら「アクティブマニッシュ」。ベースはりりしいのだけれど、そこにアクティブさがあるんですよね。スタイルの軽快な印象は、仕事に向かう誠実さを表していると思うな。あと、上質なものを長く使ってる。リッチさが漂っているのも、りっちゃんのスタイリングの特徴ですよね。

望月:たしかに、言われてみればそうかもしれません! カジュアルよりも、どこかにリッチさやツヤ感を加えるようにしています。

大草:りっちゃんの担当したページは、雑誌を見ていてもすぐにわかるんです。信じられないくらい着せつけがきれいで、それぞれの服の持ち味がよく伝わってくるから! 「なんて清潔で整ったページだろう」って、いつも感動しているんですよ。今日の「FILIPPO DE LAURENTIIS」のニットワンピースの着こなしもまさにそんな感じ。着心地はどうですか?

望月:まずは、ニットながらまったくチクチクしないところに感動。服って、デザインやトレンド感も大事だけれど、着心地がよくてかわいいのが最高のおしゃれだと思うんですよね。それだけで、着ているときの所作も変わってきます。それから、イタリアのブランドは色出しが絶妙で、そこも好き。このワンピースも、ニュアンスのあるなんともいえない絶妙なグレージュ。シンプルだけれど心地よく、ほかにはないおしゃれが楽しめると思いました。

大草:本当にきれいな色だよね。肌の色がとても引き立っているし、今履いているロングブーツと色も長さもぴったりで。

望月:そうなんです。丈が長すぎないので、ブーツ以外にスカートや細身のパンツを合わせてもよさそう。それも含めて、いろいろな着こなしが楽しめそうなのがいいですよね。ワンピースって、一度着るとなかなか変化がつけづらく、自分らしいコーディネートが実践しにくいアイテムも多い。でもこのワンピは腰のリボンを着脱できるので、結び目を変えるほかリボンなしでストンと落として着たり、レザーのベルトに代えたりしていろんな着方ができるのが魅力です。首まわりの開き具合もちょうどよく、下にシャツを重ねて襟を出してもよさそう。大草さんのカーディガンもすごくきれいで、いろんな着方ができそうですよね。

望月さんが着用したのは......

変化をつけて
着回しやすい
丈感とディテール

「繊細な生地だけれど編みがしっかりしているので、毛玉になりにくく長く着られそう。袖と裾へ深めに入ったリブがかわいくて、最初はバングルをつけていたのですが外してしまいました。そのぶん、首もとにごく細身のチェーンネックレスをつけて、たおやかな華やぎをプラス」(望月さん)

Item Credit
KNIT FILIPPO DE LAURENTIIS ¥47,300

※11月上旬入荷予定

大草:私の着ているカーディガンは、顔がくすまず地味にも見えない、ゴールドがかったブラウン。編み目が縦のラインを強調してくれるから、すっきり見えるのがお気に入りです。このカーディガンも、前を開けたり閉めたりで表情が変わる。今日みたいにオールブラックの装いと合わせても素敵だし、ワンピースやTシャツ&デニム、あとはファーのジレなどと合わせてもいいから、変化をつけながら長く楽しめると思います。何より、軽い!

望月:こういうカーディガンは、軽さもすごく大事ですよね。着心地がいいと自然と登場回数も増えちゃう。アクセサリー選びのポイントは、何かありますか?

大草:私はどんな服のときでも、だいたいアクセサリーのスタメンが決まっているんだよね。服と自分のあいだにある、自らに近い存在だと思っていて。今日は服と合わせたブラックのイヤリングと、シルバー多めのリングを合わせました。あとはリップやネイルの赤を差し色に。

望月:大草さんは今日のイヤリングもそうですが、実はフェミニンなアイテムチョイスが多いですよね。日本人離れしたパワフルなハッピーオーラをお持ちで、ご本人にパリッとした印象がある反面、一つひとつのアイテム選びは意外と甘め。そのギャップが素敵だし、自分もそういうものを取り入れてみたいなと思わされます。でも、同じアイテムをよくつけているイメージはなかったです。

大草:たしかに言われてみれば、甘めなものが多いかもしれない! アクセサリーは、リングなんかだとつける指を変えるだけで印象が変わって見えているのかも。りっちゃんのアクセサリー選びのルールは?

望月:私は大草さんと反対で、アクセサリーを毎日変えるほう。自分のスタイリングはアクセサリー選びがキモだと考えているから、服やバッグを決めるのと同じくらい、アクセサリーの地金の色や形にこだわってセレクトします。今日のワンピースは首もとがほどよく詰まった温かみのある生地のアイテムなので、大ぶりのゴールドピアスでキラッとした輝きを加え、リッチなムードを演出。面積の大きいもののほうが印象を大きく変えるので、リングよりも耳もとや胸もとに重点を置くことが多いかもしれません。

大草:アクセサリー選びひとつ取っても、その人の生きざまが表れていてすごくおもしろいですね。今日はありがとうございました。ぜひまたスタイリング談義しましょう!

大草さんが着用したのは......

顔映りのよい
万能ブラウンを味方につけて

「ゴールドっぽいリュクスなブラウンカラーを主役に、黒を合わせてみました。日本人にはなじみが薄いかもしれませんが、黒とブラウンはスタイリッシュで品よくまとまる素敵な組み合わせ。前を開けると歩いたときに裾の動きでプレイフルなムードを醸し出せますし、閉じて着れば黒のインナーの効果で首もとの縦のラインが強調され、すっきりと」(大草さん)

Item Credit
KNIT〈FILIPPO DE LAURENTIIS〉¥75,900

※11月上旬入荷予定

Gente di Mare 銀座店

東京都中央区銀座6-10-1
ギンザシックス4階
TEL:03-6264-6850
※メンズ・レディースアイテムが両方揃うショップ。

  

Gente di Mare 丸の内店

東京都中央区丸の内3丁目1-1
TEL:03-6274-6745
※メンズアイテムがメインのショップ。

  

Gente di Mare グランフロント大阪店

大阪府大阪市北区大深町4-20
グランフロント大阪 南館1階
TEL:06-6372-6300
※レディースアイテムがメインのショップ。

Photos: Atsushi Kimura
Direction & Text: Misaki Yamashita