
2020/1/23
STYLE-97
“クラシカル・ミーツ・カモ柄” に見るダンディの現在地
迷彩柄=カモ柄は、好みが別れるデザインだろう。ファッションの一スタイルとして確率したミリタリーを代表する柄ではあるが、主張の強さゆえに敬遠してしまうかもしれない。そうは言っても魅力的だ。使用する分量にもよるが、コーディネイトの主役になることは間違いなく、パンチを効かせたいという悩みがあるならば、一髪で解決してくれるはずだろうから。
さて、何が敬遠を呼ぶのか。ストリートの人気柄=子供っぽい? 色数が多くてまとまりにくい? ミリタリーは好きじゃない? ならば、ひとつずつ解きほぐし、躊躇する背中を押していきたい。まずは、“子供っぽい”について。これは、着こなしで解決できるだろう。話は半世紀前に遡るが、今はなき伝説的な青年誌『平凡パンチ』において「オール日本ミスター・ダンディは誰か?」という企画があった。そのなかで「ダンディとは、クラシックでありながらつねに新しさを失わない男性的な言葉である」とダンディを定義(『「カッコいい」とは何か』平野啓一郎より)している。ヒントはこれだ。大人の男が重んじるクラシカルな装いに、新鮮なミリタリーテイストを加えることでダンディに近づけるはず。すなわち、「クラシカルに一点カモ柄」が大人的なダンディ表現の一手となるのだ。
2番手の“色数が多くて、まとまりにくい”に関しては、全体のトーンが落ち着いたものをおすすめしたい。今や柄の種類は多様化しており、リアルな柄からデジタルなものまで、派生した柄が豊富だから、このチョイスに関してはたやすいことだろう。
最後の件。ミリタリーは好きじゃない。のであれば、お引き取り願うところかもしれないが、考え方ひとつで、取り入れられる。軍服の意味性を排除した多色づかいの幾何学模様と捉えればよいのだ。カーキやオリーブ、ベージュといった“そのまんま”ではないデザインや配色を選ぶことで実現可能。前述のとおり多様化する迷彩柄を考慮に入れればいい。
これらをすべて体現しているのが、今回のコーデだ。軸となっているのは、DUNO<デュノ>のカモ柄ダウンジャケット。リップストップ生地にプリントされたブルー系カモ柄に、スポーティなデザイン。700フィルパワーのかさ高によるボリュームあるスタイルは、モダンそのもの。そう、探せばあるのだ。FILIPPO DE LAURENTIIS<フィリッポ デ ローレンティス>のカーディガン、BRIGLIA 1949<ブリリア 1949>のスラックスで、クラシカルにまとめたなかに、一点「映え」がごとくに本アウターを投入し、見事ダンディ化に成功。また、ブルー系カモ柄がミリタリー感を和らげつつ、男が好きな色ブルー、ネイビー、ブラックのマルチカラーでアイキャッチをメイク。冒頭に記した3つの懸念を払拭する。まだまだ寒さがつのるこの時季、令和的な新ダンディズムを実践してみては。
クラシカルななかにリラックス感を宿すトップス
スポーティなDUNO<デュノ>のダウンジャケットを脱げば、ご覧のシックさ。ミッドレイヤーとして差し込んでいる、FILIPPO DE LAURENTIIS<フィリッポ デ ローレンティス>のカーディガンは、リラックスした雰囲気が魅力。ウールをベースにナイロンをブレンドすることで軽量とし、カシミヤをブレンドして肌触りを向上。ジャケットほど堅苦しくないけれど、インナーがカットソーでも様になる。なお、CIROLO1901<チルコロ1901>のカットソーもイタリアの名門による確かな作りで、素材感も美しい。
1プリーツスラックスでモダンさもトッピング
選んだスラックスは、イタリアが誇るパンツ専業ブランドのBRIAGIA 1949<ブリリア 1949>。化繊ながらもウールライクな見た目とストレッチ性をもつリラックス仕立て。ワンプリーツのゆるやかなテーパードシルエットにより、上品さとリラックス感を両立。クラシカルな一本ながらも現代的なスタイルにアジャストしており、現代のダンディを表現するにはうってつけ。
気鋭のレトロスポーティなスニーカーで「画龍点睛」を
ダウンジャケットの軽快さを拾うのが、足元のスニーカーの役割。フランス人デザイナーが、イタリアのクラフトマンシップを生かして作るPHILIPPE MODEL<フィリップ モデル>のレトロスポーティな人気モデル「TROPEZX」で、ラグジュアリーかつクラシカルな印象をプッシュアップ。ネイビー系ということで色味もトップスのカモ柄に準じており、全体の調和もキープしてくれる。