STYLE-11
WINTER SPORTS CASUAL_1
冬の男にとって価値のあるダウンの軽快感
寒さが身に染みるこの時期にありがたいダウンアウターの一手。 冬の街着の選択肢として定着したことでスポットライトから逸れていましたが、奇しくも昨今は “アーバン・スポーツ” “アーバン・アウトドア” “アーバン・ミリタリー” といった追い風が吹いたことで、ラグジュアリーアウターの一角に着地。 ようやくヌクヌクとした暖かさに安心して身を任せられるムードに移り変わりました。 とはいえ、ダウンであれば何でもいいわけではないのです。
ラグジュアリーを強調するテカテカは今の時代にナンセンスだし、アウトドアフィールドに生まれたギア本来の匂いというのも男臭くて気分がのらない。 スキーウェアを選ぶという判断は、ヒネリという点で慧眼ともいえますが、ともあれ、まんまスポーティなテイストを甘受するようでは消化不良。 ?先述のキーワードにあります通り“アーバン”であることが大本命ですから、バンドワゴン効果よろしく、順調にクローゼットの肥やしになった遺産は今後を生きる若者らに託すことをおすすめします。
さて、大人らしく一歩引いたお洒落をダウンアウターで実現するには、どうすべきか。 その答えがトーン・オン・トーンの着こなしにあるのです。 ? 選んだのは、STONE ISLAND〈ストーンアイランド〉のダウンコート&デニムパンツ、PANICALE〈パニカーレ〉のタートルネックニット、CIRCOLO〈チルコロ1901〉のマフラーという、上品なロイヤルネイビーを基調にしたひと揃え。それをご覧の通り、アンビエントなトーン・オン・トーンにまとめました。
色の明暗&素材感で差をつけるこのテクニックは、着こなし術の基本ではありますが、つつましくも都会的な上品さを演出するうえで、もっか最旬となる手段のひとつ。 唯一の欠点となるボンヤリとした印象は、シルエットのメリハリと、ニット&シャツのアクセントで穏やかに解消。 接近戦で威力を発揮するガーメントダイによるこなれた生地感も魅力ですが、遠距離戦にしてもウィンターナイズドされた軽快さが見て取れるのも、このダウンアウターの旨味。 ロングハーフ丈のN-3B風という、イタリアンブランドらしいアレンジの功名なのです。
素材感のあるニットはシンプルなスタイリングに不可欠
2色の毛糸を使い表裏でカラーの異なるダブルフェイス仕様に編み上げたPANICALE(パニカーレ)のセーター。 ベーシックなグレーを表面に、シックなホワイトを裏面に配し、着用する事でメランジ調になる様に仕上げています。 首から下げているマフラーはCIRCOLO1901(チルコロ1901)、ワッフル調の編地に製品染めを施し素材感を高めています。
ストーンアイランドらしい高級感のあるファー付きダウンジャケット
表面にダウン層が現れないように、スッキリとしたルックスに仕上げたSTONE ISLAND〈ストーンアイランド)のダウンジャケット。 しっかりした厚みのある表生地は“マイクロ レップス”と呼ばれるミリタリースペックのポリエステル/ナイロン素材。 インクブルーと呼ばれるブルーとネイビーの中間色が魅力的。 スポーツ観戦など野外での時間が長い時でもしっかりと暖かさを確保してくれます。