2015/11/20(金)

ジェンテ スタイル

Stylying

STYLE-9 WINTER BUSINESS TRIP1

STYLE-9

WINTER BUSINESS TRIP_1

ウーステッドコートの正統感は目くらましにも効果絶大!

早速、今回も昔話をひとつ。 ボー・ブランメルなる人物は、皆さんも耳なじみなことでしょう。 燕尾服の基本となったホワイト&ブラックのカラーパレット、フィットを重んじたシャープなシルエット、そして俗欲のない気高い精神をもって“ダンディの始祖”と謳われた人物です。 “燕尾服の基本” と書いたように、彼が理想としたシンプルで品のいい着こなしは量産型スーツのはじまりと合致して、大衆のスタンダードになりました。 で、これに一石を投じたのが、オスカー・ワイルドです。 彼もまたダンディズムの象徴的となるひとりですが、その特徴はロマンチシズムにありまして。 なんといっても19世紀は自由主義の黎明期。 ブルジョワジーの権力が増すなかで、トキメキを失ったスーツに埃まみれの貴族的装飾を組み入れたスタイルは、センセーショナルを巻き起こしたのでありました。
ん? そういえば、これってジャケット+スラックススタイルが定着した現状に、どことな?く似ている気がしませんか。 そこで今回の着こなしのご紹介です。
ベースとなるのは、ビジネストリップをテーマにしたセットアップススタイル。 柔らかなシルエットが印象的なセットアップはCIRCOLO1901<チルコロ1901>。  ユニークなのは、細畝のヘリンボーンではなく、プリンテッドスウェットだということ。 セットアップだけど、窮屈さはまるで感じさせません。  Vゾーンの土台を作るホワイトシャツは、リラックスした気分を損ねない GIANNETTO<ジャンネット> のワイドカラー。 そしてコートとしっかりアイミツをとったレジメンタルタイを合わせる。 基本に忠実なカラーパレットを、イタリア流にイージーな素材で遊ぶこと ―― これってまだ新鮮な域だけど、目の肥えた女性相手にはよもや通用しない手法かも……。 となると、クラシックすぎるほどにクラシックな HEVO<イーヴォ> のチェスターコートは有効なのです。 スウェットのカジュアル感を中和するロジックでもあるし、「“いかにも”だね?」といわんばかりの冷めた目線に対抗する目くらましになる。 なによりも、洒落者の大定番となっているイージースーツゆえに、むしろ「ダンディなひと?」なんて嬉しいお言葉をいただける決め手になったりするのですよ。

クラシックな印象のチョークストライプコート

ラグジュアリーなテイストの大胆なチョークストライプをあしらったHEVO(イーボ)のウールコート。 チェンジポケットをつけ、ラペルサイズを大きくすることでブリティッシュ風に仕上げ、クラシックな印象を深めています。 ジャケットの上に着ていただくことを想定したややゆとりのあるシルエットだけに、ボリュームのあるタートルセーターなどとは相性が良く、インナー次第ではジャケット無しのスタイリングも可能。 レザーのグローブなどと合わせて大人っぽく着こなしたいコートです。

GIANNETTO(ジャンネット)、ブルーラベルのドレスシャツ

GIANNETTO(ジャンネット)のドレスラインである「ブルーラベル」のホワイトシャツ。 生地は透け感のある織柄のソフトな生地を使用、厚みのある貝ボタンを使ったり着丈を長めに設定、しっかりとした芯を入れた襟やカフスなど、ドレスシャツのディテールをしっかりと押さえ、通常のGIANNETTO(ジャンネット)とは違いネクタイとの相性が良い仕様になっています。 シルエットは日本人の体型に合わせて袖丈がアジャストされており、スリムフィットですが、細くなり過ぎないようにノーダーツ仕上げにしています。

ジャケットとセットアップできるスウェットパンツ

CIRCOLO1901(チルコロ1901)が独自に開発したストレッチ性が高くコシのあるスウェット生地にマイクロヘリンボーンのプリントを施し、ウールの様な表面感に仕上げたパンツ。  股上はやや浅め、シルエットは程良く細身に仕上げ、ウエスト部分内側にはドレスパンツの様なディテールを施し、スウェットパンツとは思えない本格的なスラックスの仕様で仕上げています。 今回は同素材のジャケットと合わせスーツとして着用しています。

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