STYLE-52
AUTUMN LEATHER STYLE_2
秋を彩るバーガンディのレザーで、ワンランク上のカラーコーデを
10年一区切り。 流行は波のように押し寄せて、引いていく。 ファッションの世界でもここ数年は、ワントーンやモノトーン、あるいはミニマリズムといったシンプルなスタイルが主流。 今ももちろんそれが格好いいという気分は、間違いなくあるよね？ とはいっても、いずれ飽きが来てしまうのが、人の性分。 異なる波が寄せては返していく。
そんななか、この春先あたりから “色もの” の復活が萌している。 少し華やかさが戻って来ている様子なのだ。 引き続いてこれからの秋口にも、色アイテムが増えてくることだろう。 となれば、ワタクシも…… という諸兄も少なくないよね？
そんな “色アイテム” の手始めに打ってつけなのが、バーガンディだ。 ブルゴーニュを語源とするとおり、ブルゴーニュワインの色み。 若干ブラウンがかっている点も特徴的だ。 とりわけ、レザーとの相性が良く、ブラックやブラウンではない深みのある色調は、艶やかな個性をもたらしてくれる。 これが、男の基本色であるグレーやネイビー、ブラック、ブラウンなどと相性がバツグンで、何より合わせやすい。 そう、取り入れない手はないのだ。
そこで推薦したいのが、バーガンディのレザーブルゾン。 イタリアンブランドのDELAN＜デラン＞の手によるのもの。 いわゆるミリタリー調のA-2タイプで骨太なデザインながら、渋みの効いたバーガンディが、えもいわれない雰囲気を醸している。
こうした色のアイテムを軸にした際、問題となるのはこなし方だ。
ポイントは、同系色を拾ったアイテムを随所に投入するということ。 ここで最も手軽と思われるのは、一点、マフラーでの投入だろう。 同系色のボルドーカラーを基調にしたアーガイル柄はクラシカルな気分もプラスしてくれる。
さらに、ボトムスでもという欲張りな向きには、高度なテクニックをご紹介。 チェックパンツを選ぶのだが、そのチェックのなかにバーガンディが入る配色のものをチョイスするのだ。 パンツでもその色を拾えば、トップスと繋がりが生まれ、カラートーンに馴染み感が出てくるというわけ。
さらりとインしたCIRCOLO1901＜チルコロ1901＞のカットソーはさりげなく、前述したようにネイビーやグレーなどの基本色とは元来相性もいいために、基本色にバーガンディを重ねるコーディネイトゆえ、色が悪目立ちすることが皆無。
文字どおり、色みが色気を与えてくれるってこと。 ワンランク上のコーディネイトで、秋らしいカラーコーデを楽しんでみては？
骨太なのに艶やか、二律背反なDELAN＜デラン＞のレザーブルゾン
羽織るだけで、たちまち大人の風情が香り立つバーガンディのレザーブルゾン。赤とも
茶ともつかない独特の中間色が、ベジタブルタンニン鞣しのレザーによっていっそう味わい深い表情に。またその色調が、フライトジャケットを出自とするA-2型のデザインに色気を与えている。手がけたのは、1974年にフィレンツェの郊外エンポリで生まれたファクトリーのプライベートブランド。タイトで美しいシルエットはもちろんのこと、リネンのライニングが施されるなど、作りも確か。まさに大人が選ぶべきレザーブルゾンといえる。
BRIGLIA＜ブリリア＞のチェックパンツでバーガンディを拾う
スタイリングを高度に仕上げてくれる影の主役がこちら。BRIGLIA＜ブリリア＞のチェックパンツだ。グレーを基調にしたマルチプレイドのなかに、ブルゾンにも使用したバーガンディが重なるのがポイント。キーカラーを拾ったチェック柄で上下をまとめるのは、割と使えるテクニックだ。特徴は、ウールフランネルに１タック入れることで、現代的なテーパードシルエットに仕上げた一本。イタリアのパンツファクトリーらしいセンスが感じられる。タイトなトップスともベストマッチなのだ。
ドレッシーなスタイルのハズしとしてマウンテンシューズを
上品にまとめたコーディネイトのなかで、ハズしのアクセントとして効かせたのが、スエードのマウンテンブーツだ。イタリアのファッショニスタたちにも広く愛されるテクニックで、ドレッシーなスタイルにスポーティな要素を加えるミクスチュアな装いを生み出してくれる。こちらは、COMMONCUT＜コモンカット＞の一足。ステッチダウン製法がもたらすソールのボリューム感と、太めのレースによるキャラクター性が、エレガントな木型にハマっている。街履き対応の都会的なスタイルにぴったりだ。
