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ジェンテ スタイル89_GIANNETTO(ジャンネット)の3ピースセットアップを中心にしたスタイル

2019/06/17

STYLE-89

”快適と上品のあいだ” をかいくぐる季節の王道、シアサッカー

時は1997年、落合正勝氏による「クラシコ・イタリア」礼賛が出版。そのあたりから、こぞってメンズファッション誌が志向したのが、クラシコイタリアだ。文字どおりイタリア風のクラシックスタイルで、クラシコイタリア協会が中心的に発信したものだが、当協会に加盟しないイタリアンブランドも巻き込んで、大きな潮流となった。世紀を跨いでも勢いは衰えるどころか増す一方。毎年フィレンツェにて行われる紳士服新作展示会、ピッティ・ウオモには、日本からの来訪者も増していったように思う。男性にもたらすエレガンスや艶、そして、伝統的な服作りの温かみなどが注目されることで、それまで席巻していた「ブランド主義」から「クラフト主義」へ、ファッションの核が以降したようにも見受けられた。実際、名門ブランドのウェアの製作を担当していたファクトリーが、プライベートブランドを出し始めたのも、こうした背景からといえるだろう。
クラシコイタリア来日から二十余年が経ち、日本にもクラシカルな装いが、新たな付加価値を備えて定着したといっていい。クラシコ好きにすれば、2005年に環境省主導で導入された「クールビズ」は、なんとも苦々しく映っただろう。結果、“半袖シャツにスラックス”という、中学生のごときビジネスマンが増殖。日本人が陥りがちな「定型化」を、夏が来るたびに実感させられることになる。
クールビズの定型化から脱却する一手。そのヒントはクラシコイタリアにある。季節の素材を大事にし、結果、「クールビズ」のコードを遵守しながら、ビジネス時に手に入れたいきちんと感もまとえるのだ。例えば、GIANNETTO<ジャンネット>のスリーピースセットアップ。ポイントはクラシック服に欠かせない夏素材のシアサッカー。肌に触れる面積が少ないぶん、清涼感を与えるもの。さらに、ベージュにも注目したい。アースカラーを軸にしたコロニアルな雰囲気は、まさにラグジュアリーなリゾートに欠かせない色。今やビジネスで着るのは当たり前となっているが、スリーピースならば、正統感も醸し出せる。
そして、ジャケットを脱いだ際にベストを着ているというのは、汗で濡れそぼったシャツ姿を生々しく露出させることがない点でも有用。ジャケットを手持ちにとどめたべスト姿もまたエレガントなものだ。また、レイヤードが梅雨寒にはありがたい点を加えておきたい。足元は、ブラックのスエードスリッポンで引き締めるのがいいだろう。

Vゾーンの主役には、配色、素材感ともに間違いのない、リネンの白シャツを

ノータイスタイルで少し間延びするVゾーンにとって、ベストは、その隙間を埋める名脇役となりうる。一方主役たるシャツは、季節素材の代表格、リネン100%が推奨となる。ここでは、GIANNETTO<ジャンネット>のホリゾンタルカラーの白シャツをイン。襟元の表情で、さらにVゾーンに変化をつけられるのだ。また、ベージュと白の配色で、涼しげな雰囲気を高める重要な役割も果たしている。

チーフを挿せるベストのエレガンス

上質なTシャツであるほど、ジャケットと合わせた時の品格は高まっていく。その意味で、FILIPPO DE LAURENTIIS<フィリッポ デ ローレンティス>は適役。「クレープ ジョーゼット」と呼ばれる強撚のコットン糸により、通気性が高いうえに、シャリ感のある素材感で、ドライな着心地が得られるのだ。シアサッカーのシボの陰影とも相性のいい、マットな表情もVゾーンに奥行きを与える。トップスはこれ一枚でも精悍な佇まいに。

ミニマルは配色の装いを、小物使いでさりげなく華やかに

パンツに2タックが入り、テーパードシルエットを演出しているのが、セットアップパンツだ。これにて、時代性が高く感じられる。ANDREA VENTURA<アンドレア ヴェントゥーラ>のスエードローファーで、抜け感ときちんと感を両立する。ベージュと白からなる、ミニマルな着こなしになるぶん、手元には、PAOLO VITALE<パオロ ヴィターレ>のビーズアクセで少し飾るというのもいいだろう。