カテゴリー: STYLING

季節を楽しむことは、かくも素晴らしい。 スリーピースで実現するサマーリゾートスタイル

とあるアパレル系大手商社の社長がインタビューで語っていた、「街を歩く日本のビジネスマンを見ても、着るものに関心を持っているようには思えない」と。　確かに、言わんとすることわかる。　ファストファッション、激安スーツの台頭は、その他のアパレルビジネスにとっても脅威。　そんな時流への嘆き節ともとれるだろう。　ただ、なかなかどうしてビジネスマンと一口にいっても、捨てたもんじゃないとも思うのだ。　例えば今、目の前でこの記事を読んでくださっているアナタは、違うはずだから。
で、着るものに興味を持てば、「季節を楽しむ」という行為もとっても粋に感じてくる。　和服文化を振り返っても、絽（ろ）や紗（しゃ）など、夏素材は大変好まれたものなのだ。　そしてもちろん麻素材もそう。　今我々はリネンと呼んで親しんでいるしね。
リネンの魅力は大きく３つ。　まずはその機能性。吸湿性、速乾性、通気性に優れ、汗を吸収し放出、風を通すために涼しい着用感が得られる。　そして、肌触り。　さらりとした感触は、べたつきがちな不快感から解放してくれる。　最後に、見た目。粗めの織りのざっくり感、そして、うっすら太陽光を反射する光沢と、特有の強いシワとが生み出す陰影のコントラスト。　これこそ、粋の極みってもんじゃない？
そこで、全身から季節感が漂うのが、こちらのコーディネイト。　スリーピースのセットアップなんだけれど、これがくだんのリネン100%。　GIANETTO＜ジャンネット＞が得意とする一枚仕立ての軽やかなジャケット、カラーレスのジレ、そしてイージーウエストのゆったりパンツ。　デイリーに活躍するCIRCOLO1901＜チルコロ1901＞の白Tシャツをググッと格上げて見せてくれるわけ。　なんだか、コロニアルな雰囲気もあるしね。
そこへ、パナマハットやアクセサリー、COMMONCUT＜コモンカット＞のスリッポンスニーカーなどの小物類を合わせてコーデを盛り上げる。　リラックスしながらかしこまりたいサマーリゾートなんかにうってつけじゃない？　そう、ときに高級レストランやクルーズなんかにでかけるような。
とかく画一的なスーツスタイルを揶揄されがちな日本のビジネスマンが、こんなふうに上品で上質な休日を、スリーピーススタイルで実践しているなんて冒頭の社長が見たら、「やるねぇ、キミ！」なんて握手を求めてくるかもしれないね。