STYLE-18
INDIGO ITEMS_2
インディゴ = デニム の裏をかくカジュアルアップ
これは業界内でたびたび話題になることだけど、日本人はカジュアルな着こなしが苦手だ。 正確にいえば “カジュアル” の定義が上手く飲み込めていないのかも!? 例えば、落語に「黄金の大黒」という一席がある。 話の舞台は、ボロボロの長屋。 ある日、住人宛に大家からお達しが届く。 家主の倅が大黒の黄金像を掘り当てたそうで、酒宴に招待したいということらしい。 「酒宴はありがてぇが祝いごとだ。羽織でも着て口上のひとつも打たなきゃなるめぇ」。 そこで長屋の住人たちは、1枚しかない羽織をかわるがわる羽織って、大家に挨拶をするのだ。 江戸の町人にとって、羽織はお洒落のためのアイテムだった。 それを精一杯の礼儀として、あくせくする姿に笑いどころがある。 それでは、再び現代日本に視点を戻そう。 目の前にチラつくのは、定着の進まないカジュアルフライデーだ。 この場合のカジュアルは、ネクタイのありなしではない。 ましてや、カジュアルウェアのことでもない。 ジーンズやスウェットパンツで出勤するなんて荒業は、一般企業ではまず不可能なことだ。 あくまで、他人に不快感を与えない範疇、ビジネスコードを守る。 そのうえで、精神的に軽くなるような服を選ぶこと。 難しく考える必要はない。 タイドアップして、ジャケットやブレザーを羽織る。 この程度で十分だ。
ともすれば、写真のようなセットアップスタイルが、カジュアルフライデーに映るのかもしれない。 でも、それは “カジュアル=カジュアルウェア” あるいは “セットアップ=フォーマル” という誤った認識に振り回されている証拠。 ご覧の通り、ウェアはブルーを基調としたワントーンだ。 イタリア人が好むような深いブルーのオックスフォードシャツは GIANNETTO〈ジャンネット〉。 対するインディゴのセットアップはCIRCOLO 1901〈チルコロ1901〉。 オーバーダイで涼やかなムラ感を漂わせている。 体を締め付けないニット製だからドライブで避暑地に向かうようなちょっとしたリゾートに起用してもいい。 あるいは、インディゴ = デニム というお決まりのイメージを逆手に取った選択とするのも洒脱だ。 ただ、ブルーのワントーンでの初歩的なミスは全体的に沈みがちなことだと思う。 そんなときは、奇抜に見える差し色や素材使いを排除して、濃色を中心に放射線状に広がる、グラデーションを意識してみるといい。 するとこのように、極めてエレガントな印象にカジュアルアップすることができる!?
マイクロパターンのプリントがポイントのインディゴジャケット。
チルコロが独自に開発したストレッチ性が高く通気性の良い生地を使用し、インディゴ染めで仕上げたジャケット。 プリント柄と組み合わせる事でヒネリのあるインディゴジャケットに仕上がっています。 ジーンズスタイルは元より、ホワイトパンツなどとも相性が良く、春夏のコーディネートに活躍するジャケットです。同素材のパンツと組合わせれば、セットアップとしてもお楽しみいただけます。
定番のネイビーオックスフォードシャツ。
ノータイでカジュアルに着るのはもちろん、カジュアルなニットタイやウールタイと合わせたタイドアップもお勧めです。 今回は定番カラーのホワイトに加え、イタリアンブランドらしい深みのあるネイビーをご用意しています。 シルエットは日本人の体型に合わせて袖丈がアジャストされておりスリムフィットですが、細くなり過ぎないようにノーダーツ仕上げにしています。