Naoko's Styling Room 大草直子が 今、会いたい人

vol.5 松田珠希さん

スタイリングディレクターの大草直子さんが、ゲストとともに装いについてのスペシャルトークを繰り広げる当連載。第5回目はモデルの松田珠希さんをお迎えし、アウターウェアブランドである「DUNO(デュノ)」のアイテムを着用しました。時節柄そろそろ気になる厚手のダウンの着こなし術を、ぜひ参考に。

Today's Guest...松田珠希さん
モデル。ビューティーやファッション、ジュエリーのエディトリアルから広告まで幅広く活躍し、アジアンビューティーを代表するアイコンとして多くの人に親しまれている。
インスタグラム:@tamakimatsuda11

Host...大草直子
ファッション誌編集者から活動の幅を拡げ、スタイリングディレクターへ。イベント出演やブランドとのコラボレーションを多数手がける。WEBメディア「AMARC(amarclife.com)」を主宰。『AMARC magazine』の編集長兼発行人。
インスタグラム:@naokookusa

冬の印象の大部分を担う

ダウンジャケット選びの鉄則

大草さん(以下大草):私が今こそ会いたいと思う人にいらしていただき、ジェンテ ディ マーレの服を着てファッションについて語り合う「直子の部屋」の連載も5回目に。今日は、これまでたくさんの撮影でお世話になっている、モデルの松田珠希さんにお越しいただきました。珠希ちゃん、よろしくお願いします!

松田さん(以下松田):こんにちは! 尊敬する大草さんとファッションの対談をさせていただけるなんてうれしいです。私は大草さんとのお仕事で、服の着方や見せ方を一から教えていただいたので。

大草:珠希ちゃんには雑誌の創刊でモデルをお願いしたこともあるよね。それまではビューティーの撮影が多かったそうだけれど、黒目がちで骨格がきれいで、インターナショナルな魅力も感じさせる珠希ちゃんの美しさを見て、「ぜひお願いしたい!」とオファーしたのが知り合ったきっかけ。あのときの撮影は、自分のキャリアの中でも1、2を争うほどの素敵な写真になったな。

松田:すごく光栄です。もう何年も前のことですが、あの撮影は本当に新鮮で楽しくて、多くのことを学ばせていただきました!

大草:珠希ちゃんの美しさには強さがあるから、ファッションの色や素材に表情が加わると、写真に力が生まれるんです。今日のオフホワイトのダウンジャケットも、凛と着こなしていらっしゃいますね。着心地はどう?

松田:ありがとうございます。軽くて肌ざわりがよく、とっても暖かいですね。実は私は肩幅がけっこうあって、大きく見えてしまいそうなダウンはいつも敬遠していたのですが……。これはちょっと肩を落としても着やすいデザインになっていて、なんの無理もなく着られました。

大草:「DUNO(デュノ)」のダウンは私も「AMARC」のスタッフも複数持っている優秀アイテム。形がとにかくきれいで、こんなによくできたダウンはほかにないと思うな。見頃や袖口のタックが斜めになっていて、ポケットもキルトに沿ったデザインなのでシャープに着られて、着ぶくれしない。

松田:だからすっきりとして見えるんですね! ちょうど、次に買うアウターは白に挑戦したいと考えていたところでした。大草さんはダウンジャケットを買うとき、どのような基準で選ばれますか?

大草:ダウンの着こなしは、合わせ方というよりも、アイテムの性格がダイレクトに出ると思っていて。例えば、カジュアルになりすぎずエレガントでリッチな印象を漂わせたいと思ったら、そういうものを選ぶしかない。だから、じっくりセレクトするようにしているかな。その点、珠希ちゃんが着ているものはタイトスカートやシャツ、ワンピースとなんにでも合うので、大人にはおすすめかも。

松田:そうなんですね! たしかに合わせやすかったです。真っ白なニットとパンツでオールホワイトにすることも考えたのですが、今日はインナーにブラックをセレクトしてモダンな色とシルエットにまとめてみました。大草さんのネイビーとピンクのコーディネートもさすがのひと言、とっても素敵です。

松田さんが着用したのは……

すっきり整ったオーラを生む

スタイリッシュなダウン

「とても暖かくて、インナーが薄手でも問題なく外出できそう。イタリアの街や自然を思わせる繊細な色合いが本当にきれいで、裏地の色もお気に入り」(松田さん)

大草:ありがとう! トップスはアウターと同じネイビーでまとめつつ、華やかさを加えるために、パンツは青みがかったピンクを選んでみました。大人のピンクは、顔から離して配置すると無理なく着られるの。

松田:なるほど! 大草さんのファッション撮影でピンクのヒールを履くことがありましたが、そういう狙いがあったんですね。

大草:そうそう。あとこのアウターは細身で四角いシルエットなので、着やせして見えるしオフィスにも着ていきやすいんじゃないかな。腰のところで質感が切り替わっているから、ナイロンだけのものよりもテカテカした感じが抑えられていて。

松田:その切り替え、おしゃれですよね。Pコートみたいだなって思っていました。

大草:そうだね! だから、ママさんが学校行事に着ていくのなんかにも十分使える。そのまま仕事にも行けちゃうから、重宝すると思うな。

松田:登場回数が多くなりそうですね。ちなみに私、真冬は1枚のアウターをずっと着ていることが多いのですが、大草さんはどうですか? どんなタイミングでアウターをお買いものされているのでしょう。

大草:アウターは冬の着こなしの輪郭を決めてくれるものだし、自分の気持ちもあがるから、毎年買ってる。タイミングはまず8月、ファッションの展示会でその冬に着たいと思うものを。次に11月や12月、「今から着たい!」というときに。そして最後に2月、セールが終わりがけの頃。「今年のコート、これがあったらよかったな」と思うものを、次の冬のために買うの。

松田:時季ごとにどんなものを選ぶか決めていれば、お買いもののときに迷うことも少なそうですね。

大草:そうなの。ダウンジャケットのアイテム選びは特に慎重に、なりたい女性像に合うものを吟味するといいかもね。珠希ちゃんともまたそんな撮影がしたいな! 今日はありがとうございました!

大草さんが着用したのは......

よい意味でダウンらしくない

お役立ちなバランス感

「2種類のテクスチャーのコンビネーションが、フードつきでもカジュアルすぎないトラッドな印象に。だから、イヤリングもエレガントなパールを合わせました。ピンクのアイテムを着ているので、メイクは辛めに仕上げて、全体の“甘バランス”を整えるのが◎」(大草さん)

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Photos: Atsushi Kimura
Direction & Text: Misaki Yamashita